解 説
チェコ・スロバキアの首都プラハを舞台に、共産主義社会の反体制運動家と西側外
交官の命を懸けた愛を描く、壮大なラブロマンス。現代史の1ページ、ささやかな自
由を求めて戦った人間たちの悲しみのドラマが、宝塚の舞台に繰り広げられる。
ストーリー
チェコスロバキア日本大使館二等書記官の堀江亮介は、ふとしたことから美貌の東
ドイツ人女性カテリーナと知り合った。カテリーナはかつてSED(東ドイツ社会主
義統一党)の優秀な活動家であったが、厳しい監視で市民に沈黙を強いる官僚独裁体
制に反発し、反体制運動に身を投じた。そして、東ドイツ治安機関「シタージ」局長
である夫と離婚、弟の娘の面倒を見ながらプラハのカレル大学でドイツ語の講師をし
ていた。冷戦状態の両国、外交官は共産主義社会の人間と特別な関係になってはなら
ない、同僚の諌めにも、亮介のカテリーナへの愛は高まっていった。
西側の外交官であるにも拘らず「プラハの春」に関わっていく亮介、共産主義諸国 への国際ラジオ番組で「プラハの春」を訴えるカテリーナ。二人の愛は「プラハの春」と共に花開いていった。
だが、チェコスロバキアの背後にソビエトの影が忍び寄るように、カテリーナの背 後には東ドイツ秘密特務機関要員の影が忍び寄っていた・・・