花組・宝塚大劇場公演<1999年1月1日〜2月7日>
花組・TAKARAZUKA1000days劇場公演<1999年4月3日〜5月10日>

宝塚グランドロマン

夜明けの序曲

作・監修 植田紳爾
演出 酒井澄夫/三木章雄

解 説
 1982年に松あきら主演で上演、芸術祭大賞を受賞した名作が、創立85周年を 迎えた宝塚歌劇の第一作として甦る。明治中期、壮士芝居(新派劇)を興した川上音 二郎の波乱万丈の生涯を壮大なスケールで描いた一本立大作。愛華みれのトップ披露公演でもある。

物 語
 明治32年4月。「ゲーリック号」に乗り組んだ川上音二郎一座は、アメリカ大陸にむけて神戸港を出向した。

 書生芝居の一座を組み、自由民権運動に加担した川上音二郎は、社会風刺や政治批 判を織り込んだ「オッペケペ節」で一世を風靡したが、夢は大きく世界へと翔くこと であった。維新後、30余念たった頃といえども封建制の名残は強く、気宇壮大な音 二郎の理想も「大ボラ吹き」「ペテン師」と言われ世の中に受け入れられなかった。

 しかし音二郎には、彼の夢を信じついて行こうとする妻、貞や、副座長の高浪定二 郎ら一座の同志がいた。貞はもと霞町きっての売れっ妓芸者で、時の総理大臣伊藤博 文の囲い者だったが、壮士劇を見て音二郎を好きになり、落籍して彼の妻になった。 理想に燃えて行動する音二郎のためなら、いかなる苦労もいとわぬ覚悟で、共に渡米する決意だった。
若手役者の副座長・高浪も音二郎の屈しない人柄に惚れ、何があっても手をたずさえて理想に向かって行くのだった。

 希望は大きかったが、現実とのギャップは激しく、アメリカでの興行は難行した。 食うや食わずの有り様で、それでもホノルル、サンフランシスコと東進し、ニューヨークにたどりつく。
 しかし、先乗りしていた世話役の櫛引弓人の持ってきた知らせは、良いものではな かった。ニューヨークで興行させてくれる劇場が一つもないのだ。心身共に疲弊した 音二郎たちに追い討ちをかけるように、体の弱い座員津坂幸一郎がニューヨークの酷寒に耐え切れず発病した。
医者にみせるどころか、満足な食事もできぬまま衰弱してゆく津坂をみて、一座の心はすさんでゆく。

 ようやく興行主を見つけたが、女形は使わず、女性である貞が女役をするのなら、 という条件付きだった。この興行が成功すれば渡欧してパリ万国博に出演できるので ある。遊女以下と蔑まれていた女役者に大事な妻を落としてまで興行すべきなのか…と音二郎は苦悩するのだった。

 花の都パリは万国博覧会でにぎわっていた。
 ニューヨーク、ロンドンと当たりをとった川上音二郎一座はパリにおいても大好評 を博し、今はヒューラー座で連日大入りの舞台をつとめていた。日本の歌舞伎に対す る物珍しさと、夫の窮地をみかねて女役者になった貞の美しさがパリの人々に大受け したのだった。「マダム貞奴」は素晴らしいと知識人たちにもてはやされ、貞は社交界の華になっていった。
 しかしこの成功とは裏腹に、音二郎と貞の仲は急速に冷えていく。女優として成功 した自信が、貞を独立した一個の人間として目覚めさせた。音二郎はそんな貞をみて 美しい日本の秩序が、日本の女のあり方がくずれてしまうと苦々しく思うのだった。

 ついに、互いの間にくすぶり続けたいらだちが爆発した。音二郎は、ニューヨーク 以来一向に進歩しない貞の演技を批判し、もてはやされていい気になるなと怒った。 貞も、一体誰のおかげで一座が助かったのか、これだけ好評でパリの人々に喜んでも らえてるのにどこがいけない、あなたは私の成功を僻んでいるのよ、とやりかえす。二人の間に深い亀裂がはいった。

 そんなある日、財閥モルガン家からの招待状が、音二郎と貞あてに届けられた。モ ルガン氏の妻女は、京都祇園で芸妓をしていたユキという女性だった。モルガン家に 招かれた二人は、そこでユキの京舞を見せられる。舞い終わったあと、ユキは、パリ の人々が川上一座をもてはやすのは物珍しいからです、本当の歌舞伎はああいう程度 のものじゃないのはあなた方もご存じのはずです、どうか日本へお帰りになって、西 欧で得たものを糧に、日本で勝負してくださいと嘆願する。

 目が覚めた思いの音二郎は貞に一からやりなおすつもりで日本へ帰ろうという。そ して、貞を女優第一号にして、日本に新しい演劇をひろめる決意を固めるのだった…

出演者

大劇場:宝塚歌劇団花組61名、(専科)松本悠里、岸香織、城火呂絵
※貴水りょうは休演。
1000days:宝塚歌劇団花組68名、(専科)松本悠里、岸香織、城火呂絵

主な配役

役 名本公演新人公演
川上音二郎愛華 みれ水  夏希
川上貞(音二郎の妻。日本初の女優)大鳥 れいふづき美世
高浪定二郎(川上一座の副座長)匠 ひびき彩吹 真央
櫛引弓人(一座のアメリカでの世話役)伊織 直加 蘭寿 とむ
三上繁(川上一座の女形)岸  香織悠真  倫
仁田鶴吉(一座の衣装方)矢吹  翔風緒いぶき
津坂幸一郎(川上一座の座員)春野寿美礼愛音 羽麗
藤川岩之助(同)大伴れいか真竹すぐる
山本嘉一(同)楓  沙樹鮎川なつき
野垣清一(同)真由華れおさき 望実
駒井梅二郎(同)麻園 みき壮  一帆
小山倉吉(同)眉月  凰未宙 星沙
丸山蔵人(同)瀬奈じゅん武庫  歩
ジョージ(スリの少年)水  夏希花央 レミ
飴屋真丘 奈央輝乃 琴星
チンドン屋(クラリネット)柾輝かずさ香乃 毬花
チンドン屋(アコーディオン)さき 望実百花 沙里
車夫悠真  倫蘭寿 とむ
ポーターS水  夏希花央 レミ
ヤンキーガールS鈴懸三由岐舞風 りら
陰ソロ(1部15場)春野寿美礼愛音 羽麗
陰ソロ(1部16場)真丘 奈央舞風 りら
紳士1貴月あゆむ桜花れいや
紳士2風人 夕真輝乃 琴星
紳士3沙加美 怜紫万  新
紳士4真丘 奈央蓮城 ルナ
淑女1渚  あき彩乃かなみ
淑女2町風 佳奈夢路ほのか
淑女3翔 つかさ帆咲りんな
淑女4二葉かれん美森さやか
淑女5美苑えりか沢樹くるみ
パリジャンS伊織 直加
パリジャンA春野寿美礼
パリジャンA水  夏希
 
役 名本公演新人公演
岡本綺堂(新聞記者)春野寿美礼愛音 羽麗
ユキ・モルガン松本 悠里舞風 りら
ジョージ・モルガン磯野 千尋柾輝かずさ
お勝(旅芸人)城 火呂絵夢路ほのか
お新(同)渚  あき彩乃かなみ
お竜(同)一原 けい沢樹くるみ
お島(同)貴柳みどり百花 沙里
お房(同)二葉かれん奈月 みか
お里(同)美苑えりか彩風  蘭
お春(同)夢路ほのか帆咲りんな
亀吉(貞の養母)町風 佳奈絵莉 千晶
よし(津坂の祖母)翔 つかさ奈月 みか
ジャンヌ幸美 杏奈香乃 毬花
ローザ鈴懸三由岐早瀬  鮎
警官1貴月あゆむ柾輝かずさ
警官2風人 夕真花央 レミ
警官3沙加美 怜桜花れいや
桜の女A一原 けい絵莉 千晶
桜の女A貴柳みどり百花 沙里
歌舞伎の女A城 火呂絵絵莉 千晶
雄獅子愛華 みれ水  夏希
牝獅子大鳥 れいふづき美世
胡蝶A沢樹くるみ奈月 みか
胡蝶A彩乃かなみ愛音 羽麗
女中1歌花 由美絵莉 千晶
女中2絵莉 千晶百花 沙里
女中3百花 沙里彩風  蘭
女中4舞風 りら涼葉らんの
女中5ふづき美世花綺ゆいな
花のトウ鈴懸三由岐香乃 毬花
花のトウ舞風 りら涼葉らんの
エトワール(2部2、3場)渚  あき
パリジェンヌA鈴懸三由岐
パリジェンヌA舞風 りら
フィナーレ

第十八場 フィナーレA(ジャズ)
歌う紳士…愛華みれ  踊る紳士A…匠ひびき、伊織直加
第十九場 フィナーレB(ロケット)

第二十場 フィナーレC(タンゴ)
タンゴの男S…愛華みれ  タンゴの女S…大鳥れい
第二十一場 フィナーレD(ラテンロック)
ラテンの男A…匠ひびき
第二十二場 フィナーレE(ラテンロック)
ラテンの男S…愛華みれ
第二十三場 フィナーレF(ボレロ)
ボレロの男S…愛華みれ  ボレロの女S…大鳥れい
ボレロの男…匠ひびき、伊織直加
ボレロの女…渚あき、鈴懸三由岐  陰ソロ…真丘奈央
第二十四場 グランパレード
パレードの歌手S…愛華みれ
パレードの歌手…大鳥れい、匠ひびき、伊織直加、楓 沙樹、瀬奈じゅん、水 夏希
エトワール…春野寿美礼

 ☆新人公演…1月19日(火)午後6時開演「夜明の序曲」(大劇場)演出:木村信司  出演者
        …4月13日(火)午後6時半開演「夜明の序曲」(東京)演出:木村信司  出演者

82期生の出演場面

大劇場のみ 東京のみ 新人公演
第一部 雪のマンハッタン
第一場 花の舞扇花の美女
女童(歌)
女童
歌う女童
未宙星沙
彩風 蘭
蘭寿、壮、輝乃
沢樹くるみ
 
第三場 旅立ち中国人
男の子
女の子
町の娘
町の男
壮 一帆
蘭寿とむ
沢樹くるみ
彩風 蘭
未宙、輝乃
駒井梅二郎
小山倉吉
車夫
飴屋
町の女
壮 一帆
未宙星沙
蘭寿とむ
輝乃琴星
沢樹、彩風
第四場 オッペケペ  駒井梅二郎
小山倉吉
壮 一帆
未宙星沙
第五場 大陸横断(USA)ポーターA蘭寿とむポーターA
ヤンキーガールA
輝乃琴星
沢樹、彩風
第六場 アメリカ巡業ポーターA
ロケットガール
蘭寿とむ
壮、沢樹、彩風、
未宙、輝乃
駒井梅二郎
小山倉吉
ポーターA
ヤンキーガールA
壮 一帆
未宙星沙
輝乃琴星
沢樹、彩風
第七場 受難 櫛引弓人
駒井梅二郎
小山倉吉
蘭寿とむ
壮 一帆
未宙星沙
第八場 ブロードウェイ街路陰コーラス彩風 蘭お竜
櫛引弓人
お里
沢樹くるみ
蘭寿とむ
彩風 蘭
第十場 安下宿 櫛引弓人
小山倉吉
蘭寿とむ
未宙星沙
第十二場 或る劇場前 お竜沢樹くるみ
第十三場 元の安下宿 お竜
櫛引弓人
駒井梅二郎
小山倉吉
沢樹くるみ
蘭寿とむ
壮 一帆
未宙星沙
第十五場 雪のマンハッタン 櫛引弓人
駒井梅二郎
小山倉吉
蘭寿とむ
壮 一帆
未宙星沙
第十六場 望郷の譜桜の女
桜の童
陰コーラス
未宙星沙
沢樹くるみ
彩風 蘭
櫛引弓人
駒井梅二郎
小山倉吉
桜の女B
蘭寿とむ
壮 一帆
未宙星沙
沢樹、彩風、輝乃
第二部 花のモンマルトル
第二場 プロローグB
第三場 プロローグC
パリジャンB
パリジャン
パリジェンヌ
蘭寿とむ
壮 一帆
未宙、輝乃
 
第四場 歌舞伎A 歌舞伎の女
若衆
彩風 蘭
壮、未宙
第五場 歌舞伎B胡蝶A
胡蝶
沢樹くるみ
彩風 蘭
 
第六場 フューラー座のロビー 紳士2
淑女5
輝乃琴星
沢樹くるみ
第七場 音次郎邸 櫛引弓人
駒井梅二郎
小山倉吉
紳士2
女中3
蘭寿とむ
壮 一帆
未宙星沙
輝乃琴星
彩風 蘭
第九場 噂 淑女5
女中3
沢樹くるみ
彩風 蘭
第十場 反目 駒井梅二郎
小山倉吉
壮 一帆
未宙星沙
第十三場 花のモンマルトル花の精沢樹、彩風 花の精沢樹、彩風
第十五場 晩秋の有馬 櫛引弓人
駒井梅二郎
小山倉吉
蘭寿とむ
壮 一帆
未宙星沙
第十六場 帝国座の舞台陰コーラス彩風 蘭櫛引弓人
駒井梅二郎
小山倉吉
陰コーラス
蘭寿とむ
壮 一帆
未宙星沙
沢樹、彩風
第十七場 面影草陰コーラス彩風 蘭陰コーラス沢樹、彩風
第十八場 フィナーレA(ジャズ)踊る紳士蘭寿とむ
第十九場 フィナーレB(ロケット)ロケット壮、沢樹、彩風、
未宙、輝乃
第二十一場 フィナーレD
         (ラテンロック)
ラテンの女沢樹、彩風
第二十二場 フィナーレE
         (ラテンロック)
ラテンの男 蘭寿、壮、未宙
第二十四場 グランパレードパレード全員

全配役

新人公演全配役

スタッフ
作曲・編曲寺田瀧雄振付御織ゆみ乃 効果扇野信夫
作曲・編曲入江 薫振付若央りさ演技指導美吉左久子
作曲・編曲吉田優子装置石濱日出雄演出助手木村信司
作詞公文 健装置関谷敏昭演出助手大野拓史
邦楽指導本條秀太郎衣装静間潮太郎装置補広森 守
音楽指揮岡田良機衣装有村 淳舞台美術(株)宝塚舞台
音楽指揮清川知巳照明今井直次制作阿古 健
振付花柳壽楽音響加門清邦演奏宝塚管弦楽団
振付羽山紀代美小道具伊集院徹也制作・著作宝塚歌劇団
振付名倉加代子小道具補石橋清利
≪大劇場のみ≫ 舞台進行…西原徳充・恵見和弘
≪1000daysのみ≫ 演出助手…小柳奈穂子  舞台監督…藤村信一・中村兆成・香取克英・宮脇 学
スチール
カラー1ページ愛華/大鳥、匠/伊織、春野
カラー1/2ページ渚、楓/水、瀬奈
白黒1/4ページ岸、城、磯野、一原/町風、貴柳、矢吹、翔/
大伴、二葉、貴月、真由華/鈴懸、麻園
白黒1/6ページ美苑、幸美、風人/沙加美、真丘、眉月、彩吹、舞風、蘭寿
退団者
東京公演集合日付
(1999年3月31日)
貴水りょう(研2/83期)
東京公演千秋楽日付
(1999年5月10日)
専科:岸 香織(研41/45期) 花組:真由華れお(研10/76期)

大劇場公演    東京公演

Cherry Blossoms
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